酉囃子は今年に入ってから毎シーズン通っていて、好きな気持ちがどんどん加速している店だ。直近の訪問では、大将の仕事ぶりはさらに一段階上がっていた。鶏の脂が薄い夏の時期でも、手羽先は自分なりのやり方で皮をパリッと肉をしっとりと焼き上げ、首肉と赤身にもそれぞれ異なる香りの出し方がある。青森大根の一切れでさえ、甘くみずみずしく、記憶に残る一品だった。
この仕上がりは、まさに人生最高の焼き鳥に迫る。
店は昨年、麻布十番に移転し、酉囃子に改名したばかり。食べログは現在4.17まで来ている。この数字の重みをどう伝えればいいだろう——東京の鳥しきが現在4.43、何年も連続で銅賞を獲っている南青山七鳥目が4.19。
開業一年で七鳥目と同レベルに追いついたのは、正直かなり驚異的なスピードだ。


林大将は自分のことを「鳥貴族出身」だと自虐的に語るのが好きだ。学生時代は焼き鳥チェーンでアルバイトをし、その後フレンチやイタリアンでサービスを学び、ワインバーでソムリエも経験、神楽坂で9年間「焼鳥 茜」を営んでいた。新店では彼自身が焼き場に立ち、鹿児島出身の女将が接客を担当。焼酎とワインリストもかなり強い。東京では2〜3倍に値付けされがちな酒リストの中で、この店は一部でWS平均価格と並ぶ価格を実現している。
こうした経歴は、料理にもはっきりと表れている。彼の焼き鳥とスタイルは、東京のどこか一つの流派に属する職人という感じではない。
炭火と薪火を交互に使い分け、炭火で火入れを安定させ、薪火で香りを一枚加える。さらに芥子菜の葉、オクラ、神楽南蛮といった植物を串に忍ばせる。鶏肉は柔らかくあるべきところは柔らかく、パリッとすべきところはパリッと。同じ部位でも串の仕立て方を変えることで、思いがけない食感と味わいを生み出し、行くたびに食べたことのない新しい一品に出会える。


夏の幕開けはキウイとジュンサイの爽やかな一椀。秋になるとそれが🎃かぼちゃのケーキに替わっていた。甘さの中に塩気があり、ふわふわと滑らかで、かぼちゃの香りが秋らしさを存分に運んでくる。
皮付き鶏むね肉二種の食べ比べ。淡海地鶏から黒岩土佐地鶏とほろほろ鳥へと替わっていた。黒岩土佐地鶏は中心がまだわずかに透明感を残し、肉質はより締まっている。ほろほろ鳥はほんのりピンクがかっていて、食感はより柔らかい。皮際の脂が最後まで出し切らずに残ることで、両者の香りの違いがより際立っていた。


いちじくとゆり根も新しい前菜だった。
驚いたことに、この「ゆり根」は里芋で作られたもの。食べるとミルキーな香りが濃厚で、いちじくは意外にも高い酸味を担う役回りだった。
意外な組み合わせで、ちょっとした驚きがあった。


焼き鳥はいきなり本命から始まった。
鶏むね肉に塩漬けの芥子菜の葉を巻き込み、白く仕上がるまで柔らかく焼き上げていて、中心まで噛んでようやく芥子菜の香りがじわりと出てくる。わさびのような鼻を突く刺激はなく、残された爽やかさが本当に見事だった。
手羽先は黄金色の肉と淡いピンクの肉が見るからに食欲をそそり、しかも中には紅柚子が少し仕込まれていた。皮はパリッと、肉はしっとり、脂も十分なのに少しもくどくならない。柚子の香りの後には、手羽先の皮らしいほのかな焦げ香と脂の余韻が残る。
もう一本食べたくなった🤤。

横隔膜(はつもと)がまさかのオクラ合わせ。
「三切れ、それぞれ食感が違いますよ。」
口に入れる直前、大将から大事な情報が届く。
最初のひと口のほのかな脂から、後半にかけてどんどん締まっていく横隔膜の食感まで、オクラがこの串に水分を加え、どっしりとした肉の香りを面白くしてくれる。
普通の横隔膜を超えた、記憶に残る一本だった。


途中で「揚げ団子」が一皿出てきた。これは女将の実家、鹿児島の名物さつま揚げ。
ひとつはネギの香りがして、甘くやわらかく、みずみずしさ十分。
もうひとつはチーズを挟んでクミンをまぶしてあり、香りがまっすぐで力強い。
どちらも甲乙つけがたい好きさだった。


食事の始まりからずっと炙られていたかぶも、ついに登場。
外側の焦げた部分はすでに剥がされていて、残っているのはみずみずしい大根(かぶ)の身。甘く柔らかく、端にほのかな炭の香りが添えられている。横にある葉はただの飾りではなく、食べるとサクサクと香ばしく、意外な鮮度があった。
食べ終えると、全身が爽やかになったような感覚。

赤身は実は少し意外だった。食感には複雑さがありながら、味わいは一つの純粋な表現にまとまっている。
内外二層の鶏肉が重なり合っていて、外側はみずみずしさを伴ったパリッとした食感、内側はより締まっていて噛み応えがある。食感は交差しながらも、肉の香りは純粋でまっすぐ——すごく好きだった。


黒文字をひとつかみ火にくべると、その香りが鴨肉へと伝わっていく。
肉自体は締まっていて、木の香りがはっきりと赤身肉に絡みつき、噛むほどに鴨肉の香りがどんどんくっきりしてくる。
彼の焼き方が残している、噛むほどに立ち上がる肉の香りの個性が、本当に好きだ。


ピーマンが半分に切られて、目の前に差し出された。
「これ、実は鳥貴族で覚えた料理なんですよ(笑)。」
大将は自分を少し茶化しながらも、驚くべき答えを出してきた。
外側のピーマンはとろけるほど柔らかく、中の肉団子は繊細でジューシー、タレには香りと酸味の両方があった。


中秋に近いこの時期、日本のファストフード店はどこも「月見」セットを出していた。
まさか大将も自分なりの「月見料理」を用意しているとは思わなかった。
卵黄と大根おろしが🍳目玉焼きに見立てられ、炙った手羽先の先端と根元の上に乗せられていた。大根の爽やかさ、卵黄の濃厚さ、皮のほのかなパリッと感、肉の締まり——さらに小さな軟骨が歯の間で弾ける瞬間まである!
お酒が本当に進みそうな一品。



油揚げにそっと春菊を巻き込んだ一品が目を引いた。
続いて出てきた鶏首は、再び純粋な肉の香りに立ち返るもの。皮はパリッと、肉はしっとり、塩だけの味付けが潔い。
強火で焼かれた鶏ハツは、普段食べるものよりも「ひと回り大きい」ように見え、聞いてみると外側の膜も含めた丸ごとのハツだった。
噛むと本当に層がある味わいで、まず外側にまとわりつく香り、続いてゼラチン質の外皮とはじける脂、そして最後の中心にはほのかなコリッとした食感。まるで爆弾のようだが、舌の上で美しい花火を打ち上げてくれる。



追加がなければ、主食前最後の焼き物はしいたけの肉詰めだった。
まさか中にブルーチーズをひとさじ忍ばせているとは!!
しいたけはパリッと、肉だねは柔らかく、ブルーチーズのわずかな臭みと渋みが卵黄に触れた瞬間、まろやかに変わる。個性の強い二つの味がここで手を組み、思いがけずおいしく仕上がっていた。


最後はいつも大好きな🥭完熟卵のムースで締めくくり。
本当に贅沢なほど満たされる一食だった。
春に初めて訪れたときは、酉囃子は普通の焼き鳥屋より一段上だと感じるだけだった。初夏、鶏がもっとも脂の少ない時期になっても、火入れと食感、そして野菜の挟み方でコース全体をしっかり満足させてくれた。
そして直近の訪問では、すっかり心を奪われた。横隔膜、鶏首、ハツと続く純肉の爆弾のような一連、そして鶏むね肉の芥子菜巻き、手羽の紅柚子仕込み、月見の手羽先料理といった組み合わせの驚きの両方があった。
店の酒リストにも触れておきたい。外では見かけない、尽きることのない鹿児島の限定焼酎に加え、ワインリストの選び方も意外なほど上質でコスパが良く、WS平均価格と並ぶシャンパーニュまで見つけられる。
本当に好きにならずにはいられない店だ。
この先毎シーズン、ずっと通い続けたい。
酉囃子 Toribayashi
月曜日〜土曜日 17:00/20:00 一斉スタート
おまかせコース ¥13,000(税込、別途サービス料10%、価格は季節の食材により変動)




























































































































































































