鮨しゅんじ|女将の誠実さが板前の必殺技

東京の食べログ銀賞寿司店。鮨さいとうから正式に暖簾分けし、独立した大弟子——鮨しゅんじ。店ごと富山に移転する直前、ちょうど訪れる機会を得た。
ギャップが強い。これほど強く、重みのある名を背負いながら、桥场俊治氏自身は鋭く外向的なタイプではなく、むしろ慎重で、緻密で、線の通った人物だった。

🧑‍🍳大将・桥场俊治氏、1986年生まれ。若くして服部栄養専門学校で学び、学生時代から寿司店に入り、その後長く鮨かねさか、鮨さいとうの系譜で修業を積み、齋藤系の中でも最も注目される弟子の一人と見なされてきた。2020年に独立して鮨しゅんじを開き、ここ二年で評価が上がり続けている。26年の食べログ評価体系の見直しの中で、銀賞店にも昇格した。

全体のスタイルは非常に清潔で端正。骨格ははっきりしており、完成度が高く、握りのサイズはやや小ぶりながらも明確な線の美しさを持つ。酒肴の部分は伝統を土台にしながらも、より表現力を加えている。
寿司そのものに移ると、季節の食材の強みを活かすのが実に巧みだと分かる。完成度、一体感、リズム感すべてが良好で、それでいて寿司には明確な個人の気配が宿る。
例えば美しい季節の貝類は、酒肴と寿司それぞれで異なる組み合わせによりその特質を見せる。旬の終わりに近いマグロもあり、中トロと大トロがそれぞれの記憶点を支える。数少ない銀皮として登場する小肌は、驚くほど脱水を抑えた柔らかさで存在していた。
惜しむらくは、終盤でややバランスを崩す点。玉子焼きとデザートの甘さが、食事全体のバランスを多少崩している。

食事を振り返って意外だったのは、最も記憶に残ったのが実は女将だったということだ。板前のあらゆる繋ぎ目、あらゆる空気感が、彼女の言葉によって支えられていた。相手の世界を前提とした、実に自然なやり方で客の居心地の良さを引き出す。時折適切な話題を投げかけて場の空気を和らげ、大将がうつむいて魚を切っている間には、板前のあらゆる好奇心を受け止める。
多くの寿司店を訪れてきたが、板内に立つことでレストラン全体がより完成され、より落ち着いたものになる女将は珍しい。彼女もまた、この板前に欠かせない記憶点の一部となっている。

🥢
シャリ
愛媛の海藻スープ
揚げ石斑魚
河豚の皮とあん肝仕立て 風生水起
つぶ貝と北寄貝の味噌
マグロのほほ肉
🍣
槍イカ

中トロ
小肌
ハマグリ
赤貝
ホッケ
大トロ
車海老
赤身
えびの頭
穴子太巻き
玉子焼き

食の記憶は小さく美しいところに宿り、食事の細やかな美しさはすべて女将が引き受けていた。
富山店への再訪が待ち遠しい。

🍣鮨しゅんじ
💰¥60,000++

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