ここ二年、大阪で一番行きたかった店を挙げるなら、ここ二年連続で🥈銀賞に輝いたトムクリオーザ(TOM Curiosa)だ。
2ヶ月前の予約でも十分間に合い、英語は得意ではないものの、外国人客にとても優しいチームとシェフ。料理はイタリアンをベースに日本の食材を滑らかに取り込み、生ハムはおかわり自由、パスタはどれも負けず劣らずおいしい。この居心地の良さこそ、食べれば食べるほど好きになる店の証だと思う。

TOMはシェフ・浅井勗武氏の名前から、Curiosaはイタリア語で「好奇心」を意味する。浅井シェフは大阪の名店Ponte Vecchioでキャリアをスタートし、その後Sud Ponte Vecchioの料理長を務め、Eki Ponte VecchioとDolce Ponte Vecchioの料理も手がけてきた。
2013年に自分の店を開き、2023年に現在の北新地の場所に移転した。
梅田駅から徒歩十数分という距離に、これほどおいしい銀賞店があるとは、本当に幸せなことだ。



KURKKU FIELDSの水牛ミルクで作った無糖パンナコッタは、口に入れるととても滑らかなミルクの香り。上にたっぷりのパルミジャーノが十分な塩気と旨みを与え、いちじくと一緒に巻いて食べると、瑞々しい甘さと季節感がすぐに広がる。
半分ほど食べたところで、ソムリエが立ち寄り、隅にあった2本のオリーブオイルを目の前に差し出した。「よろしければオリーブオイルと一緒にどうぞ。優しい味わいのBiancolillaがおすすめです。」
よくある組み合わせの幕開けだが、純粋な喜びがそこにはあった。



比較的シンプルで素朴な盛り付けで、食卓に出てきた時点ではその後どれほどの驚きを与えてくれるのか、想像もつかなかった。
車海老はそのまま食べると燻香と塩気があり、身は水晶のようにパリッとしていて、仕事が美しい。タルタルはオクラと少し歯ごたえのある魚肉を合わせたもので、オクラのねっとりとした食感が旨みを広げていく、なんとも特別な体験だった。
おいしさはそれだけにとどまらない。中央の赤いソースは見た目より軽やかで、明るいパプリカの香りと美しい酸味が全体を軽快にしてくれる。お店のおすすめ通りに少しラー油を加えると、甘旨の後にちょっとした切れ味が加わる。卵チャーハンのように、どう組み合わせても失敗しない要素が並んでいて、自分なりに組み合わせて遊ぶのも楽しい。

淡い黄色の毛玉のようなものがそそり立ち、頭にはたっぷりとキャビアが盛られている。ちょっと素朴すぎるようにも見える盛り付けだった。
フォークですくい上げた瞬間、少し驚いた。なんと極細に刻まれたじゃがいもだった。
細いながらも噛むとまだ少し歯ごたえが残っている。乳白色のソースはわずかにとろみがあり、ちょうどキャビアを細いじゃがいもに絡ませるのにぴったり。ミルキーさ、塩旨み、じゃがいも自体の香りが幾重にも重なっていく。
なんというシンプルさと華やかさの極致なのだろう!

真っ黒なラビオリは、避けては通れない旬の食材・茄子を使ったもの。
ラビオリの皮はアルデンテに茹で上げられ、中の茄子の餡は柔らかく温かい。意外だったのは、その下に敷かれたジェノベーゼソース——新鮮で爽やかな香りの中に、ピーナッツの厚みが感じられた。
ほんの少しの茄子の香りが、最後になってようやく漂ってくる。食感と味わいが、まるで時間差で訪れるようだった。





ついに、伝説の「生ハム食べ放題」のタイミングが来た。
岐阜・多田昌豊氏による24ヶ月熟成生ハム、モッツァレラ、ルッコラ、おにぎり、揚げパン。
主役は生ハムで、食べ方は気分次第。けれど見事なのは、どの脇役も実力があるのに決して主役を食わないこと。
生ハムでおにぎりを巻くと、塩気と米の香りが重なり合って、濃縮された塩豚ご飯のような一口に。ルッコラとモッツァレラを合わせると、爽やかなミルキーさが加わる。揚げパンは特別に軽く仕上げられていて、噛むとサクッとした香ばしさとふわっとした空気感が同時にやってくる……
本当にひと口ごとに違う組み合わせが味わえる。他に料理がなくても、この脇役たちだけで一晩中遊んでいられる気がした。


どこか年代を感じさせる盛り付けの美学なのに、食べると確かな喜びがある~!
極細の麺にほんのりピリ辛でトマトの酸味がきいたパプリカソースが絡み、口に入れるとまだわずかに弾力が残っている。毛蟹が肉感と旨みを支え、ソースの塩加減ととろみも絶妙。真ん中に添えられたパクチーも効いていた。
生ハムの後にこんな爽快な冷製パスタが来ると、本当にちょうどいい一息になる。
ここでペアリングについても触れておきたい。コース全体のペアリングはどれも丁寧で、冷製麺にミード(蜂蜜酒)を合わせるという発想は意外性満点、普段は結びつきそうもない二つの食べ物をつなげてくれた。


驚きの連続のあと、炭火で絶妙な火入れをした牛肉と羊肉は、おいしいけれど、この時点ではコースの中ではやや控えめに感じられた😈。
意外だったのは、メイン料理の後にさらにもう一品パスタがあり、量を選べること。
「絶対に大盛りにしなきゃ!!」隣のテーブルの男性が奥さんに勧めているのが聞こえた。
周りのテーブルもみんな迷わず大盛りを選んでいた。満腹を超えてでも食べたくなるとは、一体どれほどおいしいというのか……!
ポルチーニと香茸の幅広パスタを箸ですくうと、香りがふわっと押し寄せてくる。幅のある麺は、香りを口の中全体に広げるのにちょうどよかった。油そばの香ばしさとどこか似た楽しさがある。


締めには秋らしい🍐洋梨のソルベと、イタリアの定番デザート、ティラミスのデコンストラクション版が登場。
片方は爽やかで香り高く、もう片方は層が明確で、苦味・甘味・香りを異なる温度と食感に分解した、クラシックな味わいで記憶に残る。









TOM Curiosaは本当に好きになった一食で、これからは大阪に来るたびに必ず立ち寄りたくなるような衝動すらある。
伝統的でありながら小さな創意工夫にも事欠かず、季節感と発想の巧みさを兼ね備えている。オクラ、茄子、ポルチーニ、いちじくといった旬のアジア食材がイタリア料理に新しく取り込まれ、想像を超える満足感のある味わいを生み出していた。
もちろん、無制限におかわりできる生ハム、料理とほぼ1:1の価格でありながら大きな加点となるワインペアリング、そしてソロダイニングの客にも惜しみなく楽しさを分け与えてくれるサービスチームも忘れてはならない……
きっと何度でも通い続けると思う!!!
トムクリオーザ TOM Curiosa
火曜日〜土曜日
18:00〜20:20/20:45〜
おまかせコース ¥27,500






























































































