• 魚善|新潟の山里に宿る名店、自然の恵みへの感謝

    新潟の山の中に、何度訪れようとしてもかなわなかったレストランがある。シェフが狩りに出ているか、修行中で不在か、そんな理由で縁がなかった。今回、ついにその扉を開けた——吹雪の中で。

    この気ままで神秘的な「田舎のレストラン」は、実は食べログ銀賞ミシュラン二つ星を誇る店だ。シェフは国際的なThe Best Chef Awardsにも認定されている。例えるなら、北京の平谷の小村に隠れた世界的フレンチを発見するような感覚だろうか。

    UOZENのシェフ、井上和洋さんは香川県出身。和洋料理と居酒屋で修行を積んだ後、2013年に妻の故郷である新潟県三条市に移住した。そこで妻の家が営んでいた料亭「魚善」を、現在のRESTAURANT UOZENに転換した。古い看板と屋号はそのまま残している。

    哲学は三つの言葉に込められている:Chasse / Pêche / Nature(狩猟・釣り・自然)。シェフ自ら野菜を育て、魚を釣り、獲物を追う。自然に分け入ることを料理の出発点とする。「命をいただき、できる限り無駄にしない」。日本語メニューのどこかにこっそり隠された一行が見える:「自然大好き」。

    自然の全ての素材を美味しく料理することが、無駄にしないという約束を守る方法だ。

    入り口近くには、小さな額縁に入ったモットーが飾られている。「百姓は金のためにやるのではない。食材を生産者が『美味しい、本当に良い香りだ』と言う食材を作るのが役目。料理人としての役目は食材を理解し、上手く使い、料理にすること。お客様としての役目は、見て、味わい、心が沈み、感動すること——さもなければ、本当の『美味しい』とは何かを知ることができない」

    井上さんの料理にはその信念が宿っている。白菜一玉であっても、彼の手にかかれば最良の状態で届く。

    剣先イカとパプリカソース野猪のリエットとセロリ

    最初の数品はテーブルではなく、暖炉のそばのソファで供される。外では雪がまだ激しく降り続け、その分だけ室内が温かく親密に感じられる——まるで友人の家を訪ねているようだ。しかし出てくる料理は、強く高い彩度の風味を持つ。最も安心できる環境を使って、鋭く舌を目覚めさせる仕掛けだ。

    剣先イカはパプリカソースとともに。一口分を口に放り込む:濃厚でナッツのような、ほぼクリーミーなソースが先に届き、次にイカ——柔らかく、なおかつ心地よい弾力を持つ新鮮さで。「海の風味に温かみと深みがある」という驚きの一品だ。

    対面には猪肉のタルトレット。ヘルシーな緑色の外見の下には燻製にした猪の肉があり、率直で力強い。少し酸っぱく、サクサクしたピクルスが脂っこさをスパッと切り裂く。

    山から一品、海から一品——二つの全く異なる方向の前菜が、それぞれに野性と真摯さを帯びている。

    食事の主役はジビエ。シェフ自ら猟で仕留めた鹿、猪、鴨などが、フランス料理の技法と新潟の風土に合わせて丁寧に調理される。地元の山菜や根菜を組み合わせた皿は、「土地ごと食べる」ような感覚をもたらす。

    デザートは軽やかで、食後感を爽やかに締めくくる。

    UOZENは星の数や評価よりも、「この場所でしか食べられないもの」を大切にする店だ。新潟の雪と山と自然が料理になっている——そういう体験を求めるなら、吹雪の中でも訪れる価値がある。

  • 兄弟寿司|品格という名の勝利

    新潟を訪れるたびに、必ず立ち寄る一軒がある。兄弟寿司だ。

    大将は一見するとちょっと怖い印象だ。カウンターではVネックのベストに撫でつけた髪、Instagramのストーリーでお礼の投稿をしながら「兄弟鮨」と誤った表記で書いてくる客にはバツ印をつける。

    しかしその店は、新潟県内でたった二軒しかないミシュラン二つ星(もう一軒はUOZEN)のうちの一つであり、食べログブロンズを四年連続で獲得している名店でもある。

    本当に素晴らしい。訪れるたびに新しい記憶を刻んでくれる、そういう種類の「素晴らしい」だ。

    鮨は線が細く、集中度が高い。一貫ずつの魚がはっきりと自分の個性を示してくる。精確で、抑制が効いていて、品がある。

    1960年創業の兄弟寿司は現在、二代目の本間達志さんが店を受け継いでいる。高校卒業後は東京の江戸前鮨の世界で約10年修行を積み、2011年頃に新潟へ帰郷して家業を再建した。

    目標は東京をコピーすることではなく、「新潟前の鮨」を確立すること。江戸前の技術に新潟の地魚を合わせ、米、水、酢、酒まで可能な限り県内産を選ぶというスタイルだ。

    前回の訪問から半年ほど経っていて、今回は別の名前で予約した。それでも入店した瞬間からほぼ全員がエネルギー満ちた挨拶をくれた。「お久しぶりですね。お土産ありがとうございました」——すぐに覚えてもらっていることがわかって、温かい気持ちになった。

    小さな揚げ物のつまみで酒に合わせた口慣らしをしたあと、余計な言葉なく鮨が始まる。

    佐渡の真鯛:透き通った白身、弾力のある食感、長く続く余韻、少しずつほどけていく穏やかな甘み。

    サワラ:かすかな燻りの香り、ちょうど良い柔らかさの身、炙りの香りに持ち上げられた脂の甘さ。

    カウンターの醍醐味のひとつは、技をリアルタイムで見られることだ。その日は一本の鰻を目の前で骨切り・捌き。本間さんの包丁さばきは迷いなく鮮やかで、炭火は繊維の質感をちょうど良く引き出し、皮はパリッと締まり、塩と山葵が風味を鋭くしながらも主役を奪わない。

    甘えびはこの店を代表する一貫だ。剥いた甘えびを三尾重ね、提供直前にひと動作で殻を取り外す。いつもながらのクリーミーな甘さ、今季はさらにしっかりとした歯ごたえ。甘さとプリプリ感に加えて、殻由来の旨みも一段とはっきり感じられた。

    そしてのどぐろ。半生に近い火入れで柔らかさと鮮度が完璧で、後味には生態的なつながりが感じられる。のどぐろはこの甘えびを食べている。このカウンターで甘えびの後にのどぐろを出すのは、意図的な順番なのだ。

    「写真、間に合いましたか?」カメラを構えたところでさっそくいじられた。

    マグロも印象的だった。佐渡の定置網で獲れた80kgの一本、豊洲を通さず直接店に届けられたもの。赤身はしっかりとした食感に淡い血の酸みとタンパク質のコシがあり、澄んでいて直球だ。

    最後の〆は穴子の手巻き。煮穴子の柔らかさと煮詰めの甘さ、そして海苔のパリッとした食感が合わさって、気持ちよく食事を締めくくる。

    兄弟寿司は、価格に見合ったものをきちんと提供する店だ。1万5千円〜2万5千円のコースで、これだけの魚が揃い、これだけの技術と観察眼があれば、また来たくなるのは必然だ。