兄弟寿司|品格という名の勝利

新潟を訪れるたびに、必ず立ち寄る一軒がある。兄弟寿司だ。

大将は一見するとちょっと怖い印象だ。カウンターではVネックのベストに撫でつけた髪、Instagramのストーリーでお礼の投稿をしながら「兄弟鮨」と誤った表記で書いてくる客にはバツ印をつける。

しかしその店は、新潟県内でたった二軒しかないミシュラン二つ星(もう一軒はUOZEN)のうちの一つであり、食べログブロンズを四年連続で獲得している名店でもある。

本当に素晴らしい。訪れるたびに新しい記憶を刻んでくれる、そういう種類の「素晴らしい」だ。

鮨は線が細く、集中度が高い。一貫ずつの魚がはっきりと自分の個性を示してくる。精確で、抑制が効いていて、品がある。

1960年創業の兄弟寿司は現在、二代目の本間達志さんが店を受け継いでいる。高校卒業後は東京の江戸前鮨の世界で約10年修行を積み、2011年頃に新潟へ帰郷して家業を再建した。

目標は東京をコピーすることではなく、「新潟前の鮨」を確立すること。江戸前の技術に新潟の地魚を合わせ、米、水、酢、酒まで可能な限り県内産を選ぶというスタイルだ。

前回の訪問から半年ほど経っていて、今回は別の名前で予約した。それでも入店した瞬間からほぼ全員がエネルギー満ちた挨拶をくれた。「お久しぶりですね。お土産ありがとうございました」——すぐに覚えてもらっていることがわかって、温かい気持ちになった。

小さな揚げ物のつまみで酒に合わせた口慣らしをしたあと、余計な言葉なく鮨が始まる。

佐渡の真鯛:透き通った白身、弾力のある食感、長く続く余韻、少しずつほどけていく穏やかな甘み。

サワラ:かすかな燻りの香り、ちょうど良い柔らかさの身、炙りの香りに持ち上げられた脂の甘さ。

カウンターの醍醐味のひとつは、技をリアルタイムで見られることだ。その日は一本の鰻を目の前で骨切り・捌き。本間さんの包丁さばきは迷いなく鮮やかで、炭火は繊維の質感をちょうど良く引き出し、皮はパリッと締まり、塩と山葵が風味を鋭くしながらも主役を奪わない。

甘えびはこの店を代表する一貫だ。剥いた甘えびを三尾重ね、提供直前にひと動作で殻を取り外す。いつもながらのクリーミーな甘さ、今季はさらにしっかりとした歯ごたえ。甘さとプリプリ感に加えて、殻由来の旨みも一段とはっきり感じられた。

そしてのどぐろ。半生に近い火入れで柔らかさと鮮度が完璧で、後味には生態的なつながりが感じられる。のどぐろはこの甘えびを食べている。このカウンターで甘えびの後にのどぐろを出すのは、意図的な順番なのだ。

「写真、間に合いましたか?」カメラを構えたところでさっそくいじられた。

マグロも印象的だった。佐渡の定置網で獲れた80kgの一本、豊洲を通さず直接店に届けられたもの。赤身はしっかりとした食感に淡い血の酸みとタンパク質のコシがあり、澄んでいて直球だ。

最後の〆は穴子の手巻き。煮穴子の柔らかさと煮詰めの甘さ、そして海苔のパリッとした食感が合わさって、気持ちよく食事を締めくくる。

兄弟寿司は、価格に見合ったものをきちんと提供する店だ。1万5千円〜2万5千円のコースで、これだけの魚が揃い、これだけの技術と観察眼があれば、また来たくなるのは必然だ。

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