休暇の提案|高山で牛肉を食べに行こう

平日は都会の生活で十分お腹いっぱい。休日はいつも静かな場所でのんびり休みたくなる。理想は、人が少なく、景色が良く、空気も良く、少し古き良き雰囲気があって、美味しいものも楽しめる場所。

高山はまさに宝物のような選択肢だ。滞在も、食も、写真映えも、すべて叶えられる。

日本で面積最大のこの市は、常住人口10万人にも満たない。まさに『土地は広く、人は少ない』を地で行く場所だ。

高層ビルはなく、あるのは山と美しい木造建築。しかもそのすべてが16世紀、江戸時代の風情を残している。地元の温泉も有名で、山頂の温泉ホテルで湯に浸かり、金色と緑が入り混じった景色を眺めると、まさに『癒し』としか言いようがない。

食についても言うまでもない。2019年にミシュランは日本西部の東海三県を対象とした特別版ガイドを発表し、高山のある岐阜県もその中に含まれていた。さらに地元には40軒以上の日本酒蔵もある。

高山の食

飛騨牛、そば、地酒

高山はそもそも日本中部で最も有名な和牛品種、飛騨牛の産地だ。車で移動するなら、岐阜県に足を踏み入れた瞬間から、通りすがりのレストランの看板に飛騨牛の文字や写真を絶えず見かけることになる。道端の農園で売られているおにぎりにさえ、飛騨牛が使われていることがある。

多くの店で丸ごとの飛騨牛が陳列されている

市場で売られている飛騨牛おにぎり

『飛騨牛』とは、岐阜県内で14ヶ月以上肥育された黒毛和牛を指す。日本食肉格付協会には飛騨牛専用の認証制度があり、認定を受けたものだけが『飛騨牛』と名乗ることができる。基準を満たさないものは『飛騨和牛』としか呼べない。

その特徴は、脂の分布が均一で、美しい霜降りにある。焼肉やすき焼きにも向いているが、最も魅力的なのは刺身や握りとして食べること。雪のような脂が口に入れた瞬間にとろけていく。

また、山と水に囲まれ、田畑に取り囲まれたこの地域は、野菜やそばなどの地元産品も有名だ。

ここではジャンルごとに厳選した3軒のお店を紹介したい。

焼肉|丸明 飛騨高山店

予算:5,000円±

住所:岐阜県高山市天満町6丁目8

飛騨牛の一番人気の食べ方は焼肉、それも絶対に網焼きがいい。肉に隠れた脂がメイラード反応を経ることで、たまらなく香ばしくなる。高山の街には『飛騨牛』の文字を掲げる焼肉店が数多くあるが、丸明はその中でも最も安定した選択肢と言えるだろう。

レストラン自身が飛騨牛の生産者でもあり、9つの直営店を持ち、年間2,400頭以上の飛騨牛を自社生産、そのうち約70%が最高等級の『飛騨牛 5等級』だという。店内には壁一面の受賞歴もあり、2018年、2020年の飛騨牛フェスタ最優秀賞も含まれている。

注文するなら当然焼肉盛り合わせ。飛騨牛はほぼ全身の肉に霜降りが入っており、部位によって脂の含有量が異なり、それが食感と味わいの違いを生む。この違いは生肉の霜降りの入り方からも見て取れる。例えばリブの部分は、明るい白色の脂身が赤身よりも多いほどだ。

個人的に一番気に入ったのは肩肉。脂と肉の香りのバランスがより良く、さらに表面を軽く焼いた牛肉の粒は、口に入れた瞬間に脂がはじけるようだった。

ここで2つのTipsを。

TIP 1:行列を避けたいなら17時半前に行くのがおすすめ。ラストオーダーの時間が比較的早く、19時以降だと並ぶことすらできない場合もある。

TIP 2:毎日和牛を食べているような人でなければ、必ずレタスや漬物、あるいは日本酒を注文すること。

会席|飛騨季節料理 肴

予算:飛騨牛堪能コース 16,800円

住所:高山市越後町1126-1

2019年のミシュランガイドでは、合計22軒のレストランが掲載された。三つ星2軒、二つ星1軒を含み、その中には高山駅から10分、山の中腹に位置する肴も含まれている。

レストランが看板とするのは、高山・飛騨の郷土料理。春は山菜、夏は川魚、秋はきのこ、そしてジビエと、四季に応じて食材を選んでいる。

牛肉のコースは生食と焼肉の二部構成で、ボリュームはやや多めで存在感がある。

むしろ旬の会席料理を選び、高山ならではの地元食材の魅力を味わうことをおすすめしたい。ズッキーニ一本でさえ驚きになり得る。

また、肴の日本酒も試す価値がある。店主自身が唎酒師の資格を持っており、一部の銘柄はレストランが高山の地元蔵元と直接オーダーメイドしたもので、低温で2年熟成させている。地元の牛肉や他の食材との組み合わせも意外なほど良い。

日本酒が『食中酒』であることを完璧に体現している——地酒を一口飲むと、また肉が一切れ食べたくなる。

そば|みやび庵

予算:2,000円±

住所:岐阜県高山市上二之町65-4

高山の旧市街にある、実に宝物のようなそば店。目立たない場所にあるが、開店から10分で早くも『満席』の札が出る。

聞くところによるとシェフはイタリア留学の経験もあるそうだが、最終的には故郷のそばの魅力に屈し、真剣にそば店を経営することに決めたという。

店の麺は2種類。十割は100%そば粉で香りがより強く、二八は8割のそば粉でよりコシがある。

出汁のバリエーションも豊富で、伝統的でありながら田舎らしさも感じさせる。飛騨牛、鴨肉、自家製炭火焼き豚、辛味大根など、好みに応じて選べる。

まだ少し硬さの残る状態に茹でた麺を、もう一度出汁に浸すことで、汁を十分に吸収しながらもちょうど良い柔らかさに仕上げている。

出汁の風味がそばを引き立て、互いに支え合うような美味しさで、食べていて本当に幸せな気分になる。

ここで補足しておきたいのだが、飛騨には飛騨牛の握りを売る街角の小さな店が多く、たいてい長い行列ができている。幸いこの店にもあり、肉の鮮度も良く、その場ですぐに楽しめる。

また、そばのメニューの前のページには、小皿料理がいくつか載っており、どれも出来が良い。豆腐となすは、どちらも日本の郷土料理で外せない食材だ。

高山で遊ぶ

朝市、古い町並み、山水、温泉

高山にはもともと風水的な良さがあり、安土桃山時代からの歴史的背景も持っている。周辺にも有名な観光地が多く、その中にはアニメ映画『君の名は。』のロケ地とされる飛騨の町や、ユネスコ無形文化遺産の合掌村も含まれる。

ここでは高山の観光を、市内と周辺の2つに簡単に分けて紹介したい。

市内|宮川朝市

宮川朝市は高山市の定番の市場で、江戸時代に起源を持ち、今では200年以上の歴史を誇る。日本三大朝市の一つでもある。

四季を通じて休みなく開かれており、主に地元農家が野菜や果物、手作りの小物などを売る場として使われている。

朝市は宮川のほとりに隣接し、通りはそれほど長くないが、露店がびっしりと並んでいる。それでいて騒がしくはなく、老若男女それぞれの店主が素朴な笑顔で、自分の露店に真剣に向き合っている。

味噌、五平餅、プリン、飛騨牛寿司、コーヒー、漬物、花……いろいろなものが並んでいる。ここでは必ず旬のフルーツを買ってほしい。見た目は地味かもしれないが、一口食べれば黙り込んでしまうほど美味しい。

朝市を見て回った後、宮川に架かる橋の上から小川や鯉、鴨を眺めるのは、自然からの癒しそのものだ。

市内|三町古い町並み、高山陣屋

宮川のほとり東岸、つまり朝市と同じ側には、江戸時代から残る三町古い町並みがあり、日本の国指定『重要伝統的建造物群保存地区』でもある。

小路を散策すると、木造の建物が整然と並び、統一感がありながらも一軒一軒に個性が感じられる。一枚一枚の分厚い木材には、長い年月の跡が刻まれている。

↑古い町並み内の酒蔵マップ、なかなか使える一枚↑

この通りには日本酒の店が多く、旧市街には全部で7軒ある。どこも試飲ができ、蔵元限定の銘柄もあるので、時間が許せば一軒ずつ歩いて回ってみるのもいい。

どの蔵も個性がはっきりしているが、それでいて地酒特有の高いアルコール度数とキレの良さは共通しており、飛騨牛との相性は抜群だ。

古い町並みをさらに進むと高山陣屋がある。簡単に言えば昔のお役所のようなもので、垂れ幕には徳川家の家紋である三つ葉葵の紋も見ることができる。心を落ち着けて眺めると、格別に清らかで趣のある時間になる。

周辺|飛騨の里

高山の古い町並みに比べると、飛騨の里はやや通好みの観光地と言える。

しかしこの美しく静かな町は、実は10年ほど前に大ヒットしたアニメ映画『君の名は。』のロケ地でもある。

駅から国分寺まで歩いても、道中それほど人には出会わない。ふと目の前に千年の銀杏の木が現れたり、水の中の鯉もいつも見るものより一回り大きかったりする。

高山の古い町並みに比べると、飛騨の里はより高山のもう一つの顔と言えるかもしれない。学校帰りに列を作って歩く小学生たちや、がらんとした駅、客待ちのタクシーなどが見られる。

日常的で、静かで、少し古風な趣のある小さな町。その景色は心の底から癒される。

周辺|白川郷 合掌村

道端には屋根葺き用の藁が干されているのも見かける

白川郷の合掌造り集落は、北陸旅行では外せない一站。金沢、富山、高山のいずれからもバスで行くことができる。

1995年、ユネスコの第19回世界遺産委員会において、白川郷は世界文化遺産に指定された。日本の伝統的な建築技術と集落文化のスタイルが保存されている。

<文化喫茶 郷愁>岐阜県大野郡白川村荻町107

白川郷の合掌造りの歴史や文化的背景についてはすでに多くの人が書いている。お土産に関しても、白川郷で買うことは特におすすめしない。高山と大差がないからだ。

ただ、コーヒー一杯分の時間だけは、小さな喫茶店<文化喫茶 郷愁>のためにぜひ取っておいてほしい。窓の外の景色は、まるで別世界に迷い込んだかのような気分にさせてくれる。

周辺|下呂温泉

温泉好きにとって、下呂は高山への旅程の中で見逃せない一站だ。

下呂温泉は有馬温泉、草津温泉と並んで日本三大温泉郷と称され、千年以上の歴史を持つ。ここは高山から名古屋へ車で向かう際にも必ず通る場所だ。

本当に、底が見えるほど澄み切っている

この街は細長い町のような佇まいで、清らかな緑色の小川が町全体を貫いている。おすすめは下呂の南村の入り口にある、地味だけれど実力派のそば店<おおふくや>。

この店の看板は手打ちそばで、全部で19種類もある。

どれも味わいが非常にクリーンで、素材にも丁寧なこだわりが感じられる。麺は自家製だとひと目でわかり、細く切られ、柔らかめに茹でられていて、そばの香りが優しくしっかりと残っている。

都会で出来合いの料理を食べ過ぎた身には、心の底から恋しくなる味だ。

月見そば

高山は本当に、美味しくて楽しい街だ。

貴重なのは、まだそこまで『観光地っぽさ』が強くなく、自分自身の歴史と、田舎らしい素朴さと集中力を保ち続けているという点だ。

ここで2つのTipsを。旅の仲間たちの役に立てば幸いだ。TIP 1:現金を持参すること。東京や大阪では多くの店がすでにWeChat PayやAlipayに対応しているが、高山のような比較的マイナーな旅行先では、十分な現金を用意しておいたほうがいい。

TIP 2:移動手段について。条件が許せば、1〜2日はレンタカーを借りるか運転手を雇うことをおすすめする。さらに高速ではなく国道を走るのがおすすめ。高山から飛騨の里、白川郷、下呂へは、車での移動が最も便利で、道中の自然の景色もじっくり味わう価値がある。沿道には農園も多く、牛乳や野菜・果物もとても美味しい。

というわけで、皆さんに一足早く国慶節のお祝いを。

早くこの美しい小さな町を旅程に加えてみてほしい。

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