2月9日より、シンガポールと中国本土は正式に相互ビザ免除となった。
飛行時間わずか6時間のシンガポールは、短い休みにぴったりの旅先だ。
サービスの良さで知られるシンガポール航空なら、深夜便に乗って一眠りする間に、着いた頃にはもう南国の空気が広がっている。

というわけで今回は、シンガポールの出行と食に関する実用情報をまとめてシェアしたい。
01
出行ガイド
1)入国:ビザ免除開始後は、パスポートのみで入国可能、ビザは不要。ただし入国3日前(72時間以内)に公式サイトでSG Arrival Cardの登録が必要。以下のリンクから登録し、印刷しておくのがおすすめ。国内でのチェックイン時にも使う:
https://eservices.ica.gov.sg/sgarrivalcard/

またはスマホアプリ「MyICA Mobile」からの登録も可能。
2)SIMカード:①国内のTaobaoでシンガポールの3〜7日用SIMカードが購入可能、価格は100元以内で短期旅行には十分。②首都空港のセキュリティ通過後にモバイルWiFiのレンタルがあり、1日20〜35元ほど。事前にWeChatで【環球漫遊WiFi】を検索して公式アカウントから予約することもできる。③もし忘れてしまった場合、シンガポールのセブンイレブンでも電話カードが購入可能(15シンガポールドル、日本円で約80元相当)だが、その場合は着陸後しばらく周辺のWiFiかローミングに頼ることになる点は要注意。
3)タクシー:配車と出前が一体になったアプリ「Grab」をダウンロード。支払い方法も非常に親切で、Alipayと直接連携できる。ただし事前に支払い方法を設定しておかないと、システムが自動的に現金払いを選択してしまうので要注意。

02
レストラン選び
Restaurant Born
https://restaurantborn.com/





Restaurant Bornはオープンから1年足らずでワールドベスト50入りを果たし、ミシュランの星も獲得した。シェフのZor Tanはマレーシア生まれの華人で、アンドレ・チャンのもとで12年間修業を積み、台湾のRawや、マカオの川江月でもシェフを務めた経歴を持つ。
料理はZorの生い立ちや、彼が暮らし、働いてきた場所を軸に構成されている。食事の体験はまるで没入型演劇のようで、口に運ぶ一口一口にZorが語りたい物語が宿っている。
和牛の揚げ饅頭、フォアグラの蒸し卵、唐辛子漬けのアンコウ、カリカリライスの海鼠…コース全体を通じて、中国の食材と料理思想が濃密に流れている。味わいには高級中華料理店に通じる、伝統的でありながら洗練された雰囲気があり、特に伝統的な広東料理や四川料理の味付けの塩加減が絶妙で、要素の組み替え方にも思いがけない驚きがあった。
以前、Restaurant Bornについては一本まるごと記録を書いたことがある。

Seroja
https://seroja.sg/





昨年シンガポールで注目を集めた新店は2軒あり、一軒はRestaurant Born、もう一軒がSerojaだった。
シェフのKevin Wongもマレーシア出身で、店名はまさに彼が育った通り「Jalan Seroja」に由来する。Serojaは蓮を意味し、マレー諸島の多民族社会を象徴する言葉でもある。
食事全体がまるでマレーシアを巡る旅のようで、シェフKevinとそのチームが育った暮らしの中へと連れて行ってくれる。親しみやすくも満ち足りた表現で、非常に多くのマレーシアの食材、調理習慣、味付けが用いられている。冒頭のサラダに並ぶ数十種類のマレーシア食材だけでも、この土地の食材の多様さが伝わってくる。
ワインペアリングは特に試す価値がある。大胆で独創的でありながら、軸はぶれない。岩手県産リースリングに地元産の帆立を合わせたり、シェリーにマレーシアのマッドクラブを合わせたり、さらにはマイナー品種のティモラッソをハーブヌードルに合わせたりと、料理との相性はもちろんのこと、それぞれのペアリング自体に個性があり、方向性の異なる驚きを次々と届けてくれる。
詳しい記録はこちら→Seroja

Candlenut
https://www.comodempsey.sg/restaurant/candlenut




Candlenutは前の2軒に比べるとずっと老舗だ。2016年にミシュランがシンガポールに上陸して以来、世界で唯一のミシュラン付きニョニャ料理店としてその称号を守り続けている。
レストランは中心市街地から少し離れた小さな敷地にあり、内装はリゾートのように素朴な佇まい。午後1時に訪れた時にはすでに客足も落ち着いていて、混雑していない時間帯ならウォークインでも入れる。
メニューも家庭料理然としていて、チキンスープ、サラダ、炭火焼き、炒め物、カレーなど。価格は良心的で、ミシュランらしい構えはまったくない。
料理は一気に運ばれてきて、大皿に盛られ、見た目の演出にはこだわらないが、味わいは一切手を抜いていない。4時間煮込んだチキンスープは一口飲めばアジア人の胃にすっと染み渡る。翼豆のサラダはみずみずしくシャキシャキで、カシューナッツが野菜より多いくらい。墨で炒めたイカは火入れの見事さが中華の名店をも上回るほどで、小さなイカはぷりぷりとして肉汁がはじける。そしてカニのカレーも見逃せない。新鮮な蟹をほぐして作られた、ほんのりスパイシーな黄色いカレーは箸が止まらなくなる。
海南チキンライスのことは忘れていい。ニョニャ料理ほど心にしっくりくるものはない。

Labyrinth




最後の1軒は、いわば「地雷」として紹介しておく。
古い商業施設の2階に隠れるように佇むこの店。ミシュラン一つ星とワールドベスト50のダブルの看板があれば、そう悪くはならないだろうと踏んでいた。メニュー全体のコンセプトやシェフのストーリーの説明を聴きながら、期待も膨らんでいた。
しかし、このレストランの体験はどうも実際の料理とは無関係のところで成り立っているようだった。
頼んだ日本酒はほぼ常温で運ばれてきた。シンガポールのナイトマーケットの屋台料理からインスピレーションを得たというウェルカムスナックは、塩気ばかりで印象に残るものが何もない。豚肉と餅の組み合わせは口の中でねっとりと重たいだけ。温かい料理のパートに至っても、ほとんどがぬるい状態で提供された。
全体を通じて見栄えだけで中身が伴わない食事で、正直なところ、食べている途中で席を立ちたくなったのは久しぶりだった。
いわゆる「クリエイティブなシンガポール料理」を謳うくらいなら、Jollibeeでフライドチキンを食べたほうがまだいい。
03
一杯飲みに行く
シンガポールのバー文化はよく知られている。昨年の世界のベストバー50の授賞式もシンガポールで開催され、Jigger & Pony、Sago House、Atlasもランクイン。上位100軒のうちシンガポール勢が7軒を占めるという、アジアの中でも際立った実績だ。
Park 90
https://park90.com/sg/en/




ワインについては、国内でソムリエをしている友人からPark 90を勧められた。
The Regencyの中に隠れるように佇むこのワインバーは、外観こそ控えめだが、公式サイトを開けばその実力がすぐに伝わってくる。
オーナーのMason NGは、シンガポールを代表するミシュラン三ツ星フレンチ、Les Amis出身。19歳でソムリエ資格を取得し、15人のチーム全員が専門資格を持ち、そのうち3人はすでにAdvanced Sommelierの資格を取得している(ちなみに中国本土全体でも取得者はまだ18人ほど)。サービスの細部やワインの説明ひとつをとっても、プロフェッショナルさと優雅さを極めた印象だ。
92ページに及ぶ豪華なワインリストは、思いつく限りの定番産地はもちろん、新進気鋭の生産者も網羅している。シンガポールは税金が高くワインの小売価格も安くはないが、Park 90の価格設定は非常に良心的で、Wine Searcherの平均価格との差はおおむね25%以内に収まっている。
ペアリング用の料理はイタリアンと東南アジア料理が中心で、シンプルながらどれもワインによく合う。夜に軽く食べながら一杯——という過ごし方が心地よく、シンガポール滞在の短い間に2回も足を運んでしまった。
うん、これは実名で強くおすすめしたい。


04
そのほか
Tarte by Cheryl Koh
www.tarte.com.sg




シンガポールの老舗ミシュラン三ツ星Les Amisの予約は簡単ではないが、そこの元パティシエが開いたデザート店ならぜひ試してみてほしい。店はレストランの上階にあるモールの中にひっそりと佇んでいる。
正統派のフランス菓子で、フォルムはすっきりと洗練されていて、味わいはピュアで記憶に残る美味しさ。冬のおすすめはストロベリータルトとモンブラン。イチゴの爽やかさとクリームの組み合わせは鉄板で、ほろっと崩れるタルト生地の食感も絶妙、王道ながら美味しい一品。モンブランは秋冬の貴族的デザートとよく称されるが、繊細な栗クリームの下にはほんのりお酒の風味が隠れている。
本当に美味しいデザートというのは、つい全部食べきってしまうもの。満足感が胸の奥まで満ちてきて、家族へのお土産として機内に持ち込むために2つ追加で包んでもらったほどだった。

嬉しすぎて写真がブレてしまったけれど、
みんなが、どこへ行っても美味しく食べて楽しく過ごせますように。


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